「COPDの最新治療」山口大学医学部附属病院呼吸器・感染症内科 松永 和人 教授



■COPDの最新治療について

山口大学医学部附属病院 呼吸器・感染症内科では、肺がんを始め、慢性的な咳、肺炎、喘息、など呼吸器疾患全般についての診断と治療を行っています。
今回は慢性閉塞性肺疾患・COPDについてご紹介します。

COPDとは、長期間にわたりたばこの煙などの有害物質を吸入したことで生じる肺疾患です。肺気腫による肺の破壊によって気道が狭くなり、慢性的な気管支炎によって気道粘液の過分泌が起こるので、適切な治療を行わないと、呼吸の状態がどんどん悪くなっていきます。その原因の約90%が喫煙によるもので、10年以上タバコを吸っている方は特に注意が必要です。

COPDが進んでいくと体を動かしたときに息が切れるようになります。体を動かすと息苦しくなるので今度は体を動かさなくなります。それが運動不足や筋力低下につながり、心血管疾患や糖尿病といった他の全身性疾患の合併が起こってきます。
このような負の連鎖におちいらないためにも、COPDの早期発見、早期治療はとても重要になります。

しかし、多くのCOPDの患者さんは、重症になるまで医療機関を受診していないのが現状です。
COPDでは肺機能が徐々に落ちていくため、それが病気によるものだという認識がなく、年齢によるものだと感じ、病状が進んで始めて診察を受けるというケースがとても多いのです。COPDの早期診断に有用なのは肺機能検査です。

山大病院でもスパイロメトリーや呼気一酸化窒素測定などを行っています。スパイロメトリーは呼吸機能を測定するもので、自覚症状が非常に軽い、もしくはまだ自覚症状がなくても肺機能の低下を早期に見つけることができます。COPDを早期発見するために欠かすことのできない検査です。
呼気NO測定は、呼気中に含まれる一酸化窒素の濃度を測る検査です。その濃度を測ることで、気管支の炎症の状態を調べることができるのです。COPDと区別が難しい病気である喘息の診断に有用な検査です。
これらの検査結果や問診、喫煙歴、CT画像などにより、総合的にCOPDを診断します。症状が似た別の疾患の可能性もあるので、肺の検査で病態を見極めることがとても重要です。
COPDの治療は主に吸い薬である吸入薬により行います。症状により選択される薬は変わってきますが、呼吸状態の改善には
気管支拡張薬を使います。たばこの煙で一度壊れた肺を治すことは容易ではありませんが、狭くなった気管支を広げたり、痰の分泌を抑えることで、肺の働きと呼吸の状態を良くしていくのです。
それとともに、生活習慣の改善も行い、運動能力と身体活動性の向上、そして維持を目指します。

動くと息切れがつらいので外出を控えたり、日常生活の中で重い荷物を持ちあげることや着替え、入浴を苦痛に感じていませんか?
COPDを早期に発見し治療を行うことで、これまで控えていた日常生活での行動が可能となり、活動的な人生を取り戻すことが出来る方がたくさんおられます。
是非、COPDという病気を覚えておいてください。

COPDの対策として禁煙は重要ですが、最近では治療が大きく進歩し、有効な薬がたくさんあります。
動いた時の息切れや長引く咳や痰がある方は専門医を受診してください。そして、その原因としてCOPDを心配される方は一度、山大病院にご相談ください。

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