「頸椎部圧迫性脊髄症病態の最前線」山口大学医学部附属病院整形外科 今城靖明 講師



説明
山口大学医学部附属病院・整形外科では、脊椎、腫瘍、マイクロサージャリ―など幅広く治療を行っています。脊椎疾患においては、丁寧に病態を評価し、手術や治療についての適応を吟味しています。今回は脊椎の疾患のひとつ、頸椎部圧迫性脊髄症の病態と治療についてご紹介します。
■頸椎部圧迫性脊髄症とは
頸椎、胸椎、腰椎といった椎骨を通る脊髄は、脳と体の各器官をつなぎ、知覚や運動の刺激を伝達する中枢神経系を構成する器官です。加齢などにより、椎骨が変形して脊髄を圧迫することで様々な症状がでてきます。中でも頸椎の変形により発症する頸椎部圧迫性脊髄症は、手足のしびれに始まり、細かい作業ができなくなる巧緻運動障害、歩行障害などへと進行していくことが多い病気とされています。しかし、手足の知覚障害や位置覚障害などが発症する場合もあり、多岐にわたる症状の発症や進行のメカニズムは、まだまだ不明なことも多いのが現状です。ただ、脊髄の伝達経路は概ねわかっています。手の指のしびれは楔状束、巧緻運動障害は頸髄由来の皮質脊髄路、歩行障害は皮質脊髄路など、上肢の触覚障害は後角4,5層と楔状束、痛覚は後角1,2層、下肢の触角は薄束を反映すると考えられています。患者さんに現れている症状と、それらの経路の電位の異常が合致すれば、脊髄の圧迫が原因であることがわかります。
■頚椎部圧迫性脊髄症の治療
頚椎部圧迫性脊髄症の治療は、外科的手術が中心になります。圧迫されている高位の椎弓に切り込みを入れ広げることで圧迫を取り除くのが主な方法です。
その手術の際、私たち山大病院では、それぞれの経路に関係する、SCEPと呼ばれる4種類の脊髄誘発電位を測定しています。神経伝達系の異常個所を特定するのに加え、患者さんに現れている症状が神経学的所見と一致しているかを診断しています。というのも、頚椎の圧迫という原因に隠れて別の病気を併発している可能性があるからです。
電位の異常と患者さんに現れている症状が一致しない場合、他の診療科と連携して、原因となる疾患を特定し、適切な治療へとつないでいくのも、私たち整形外科医の重要な役割であると考えています。
(おわりに)
頚椎部圧迫性脊髄症で現れる症状の多くは、日常生活に支障をきたすものばかりです。真の原因究明と適切な治療を目指し、山大病院では日々診療を行っています。

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