家族に関するほのぼのエピソード/映画『万引き家族』カンヌ公式記者会見

5月14日(現地時間)にカンヌ国際映画祭で是枝裕和監督最新作『万引き家族』公式記者会見が行われ、是枝監督をはじめリリー・フランキー、樹木希林、安藤サクラ、松岡茉優、子役の城桧吏くんと佐々木みゆちゃんが出席した。

是枝監督は、今回も家族をテーマにした理由について「家族を通じて日本社会を語ることが、より効果的だと思っているからか?」と聞かれると、「この数年、ファミリードラマを撮り続けてきましたが、今回はどちらかというと少し視野を広くもって、現代の日本社会と家族とが摩擦する面をきちんと描こうと思ったんです。あくまで、家族を描こうと思ったのであって、社会を描くのが効果的だと思ったわけではないんです。ただ今回は今までより少し、社会によって切り裂かれていく家族を描いてみたいと思いました」と回答。

また本作では、貧しく哀れな家族が描かれているが、「見終わった後は、この家族の一員になりたいと思った」という感想が寄せられると、「この家族が実際にいたとして、日本で報じられたら、ただの犯罪者の集まりでしかない。ただ、カメラがあの家に入った時に、報じられるだけではない、ある種の豊かなつながりや、僕たちが感じられない色や光があって、その家族を描くことで、逆に僕らの家族とか共同体というものが照らされるというか、そんな存在としてあの家族を描きたいと思ったんです」と話した。

子役の2人は、「家族をモチーフにした映画に出たことで、新たな家族に出会えたという風に思ったか?」と尋ねられ、城くんは「万引きは悪いことですけど、すごく賑やかで楽しい、温かい家族だなと思いました」、みゆちゃんは「新しい家族ができました!」と、それぞれほのぼのとした答えを口にし、笑いを誘っていた。

今回が初のカンヌ映画祭参加となる安藤は、カンヌで出品された三池崇監督の『愛と誠』に出演しているほか、義理の父親である柄本明は『カンゾー先生』にカンゾー先生役で出演していることもあって、カンヌとの縁について聞かれると「私の父(奥田瑛二)と姉(安藤桃子)が映画監督をやっていて、幼い頃から(カンヌは)父の憧れの場所でした。家族の夢であったし、映画を目指す人が一番憧れている場所だと小さい頃から聞いてきた。私は今回、そんな父と姉を差し置いて、(是枝)監督に連れてきていただきました。けれど、私がそれでカンヌを身近に感じられるかというと、それは逆。ここに来て、昨日の上映を体験したことで、さらにすごいところなんだなと感じるようになりました。今は、どういうおみやげ話を持って帰ろうかなって思ってます」と笑顔で語った。

一方、松岡は、実際に妹がいることに関して「是枝監督は松岡さんの育った環境と照らし合わせてこの映画を作ったのか?」と質問されると、「私がお芝居をするきっかけは妹でした。妹と子どもの頃から同じ役を争ったりしてきたことは、家庭の中でもあまり風通しのよいものではありませんでした。なので、そういう記憶や気持ちが今回の役に通ずるところがありました。妹はもう、この仕事は辞め、今は新しい夢に向かって進んでいるのを見るとたくましいと思うし、今回の作品とすごく通じるものがあったなと思う。でもそんなことは監督は、全然ご存じなかったんですけど、私が演じた役は妹との確執があったりしたので、何かが引き合わせてくれたのかなと思う。この映画は子どもの時に優しくできなかった本当の妹に対する思いを、みゆちゃんが演じてくれた役への優しい気持ちで返すことができたので、その作品でカンヌに来られたことを本当に幸せに思っています」と話していた。

『万引き家族』は6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国公開となる。
※元記事はこちら:http://www.moviecollection.jp/news/detail.html?p=12630

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