【不眠症】眠れない人へ、精神科で行われている不眠治療について説明します。【精神科医・益田裕介/早稲田メンタルクリニック】

不眠症は国民病
5人に1人の方が睡眠について、何かしらの問題を感じています。
20人に一人の人が睡眠薬を服用しています。

○睡眠で困ったら
睡眠薬を服用する前に、以下のことを試してみましょう。

・寝る時間、起床時間を固定にする。睡眠記録ノートをつけると、固定化しやすいです。
・睡眠時間にこだわらない。6時間ぐらいを目安にする。
・太陽の光をあびる
・適度な運動を心がける
・ストレスを溜めない、ストレス解消法を身に着ける
・寝酒をやめる。睡眠の質が低下する以外にも、疲れやすくなったり、落ち込みやすくなります。
・睡眠日誌をつけてみる。katsudo-kiroku_1week

○それでもダメなら、睡眠薬を試してみよう
治療の流れは、睡眠薬を使いながら、生活リズムを整え、ストレス対策を考えていきます。
落ち着いたところで睡眠薬を減らしていく、というのが一般的な流れです。

数か月の通院で落ち着く人がほとんどですが、長く睡眠薬を使用される方もいます。

睡眠薬
主にベンゾジアゼピン系の薬物を指し、リラックス作用・睡眠作用があります。効果はお酒に少し似ていて、依存性がある点もお酒に似ています(が、お酒ほどはありません)。新薬系は依存性が少なく、自然な眠りが特徴。ジェネリックがないため、値段10倍ぐらいします。効果も弱い印象?があります。

まず、短時間型の睡眠薬をお試しください。寝ている途中で効果が切れますが、起きることなく、朝まで眠られる方がほとんどです。

短いタイプの睡眠薬を試してみて、途中で何度も起きてしまう方は長いタイプのものを試します。
長いタイプのものは、朝に薬の作用が残ってしまう方(ぼんやりしてしまう)もいます。その場合は短いタイプのものに戻すこともあります。

○他の病気が隠れていないか(鑑別疾患)
眠れなくなる人で、うつ病、躁うつ病、統合失調症、発達障害…などの病気を持っている可能性があります。
通院しながら、診断鑑別を続けていきます。
気軽にご相談ください。

よくある質問
・薬は依存になりませんか?
依存性は少しあります。しかし、お酒やたばこ、違法薬物のような依存性はありません。医師の指示に従って、正しく服用していれば安全です。
長く飲み続けていると、認知症のリスクが上がると言われることもありますが、それを否定する論文も多数でており、結論は出ていません。
また、多くの人は睡眠薬を必要としなくなり、通院を終了されています。

・薬が効かなくなりませんか?
耐性も少しつきます。初めてお酒を飲んだ時、コップ一杯で酔っ払っていた人が、中年になり、ジョッキ3杯ぐらい飲むようになるのと同じで、薬の効きも悪くなります。しかし、多くの人が大酒飲みにならず、ジョッキ3杯以上は飲まなくなるように、睡眠薬についてもそこまで強くなりません。決められた量を守っていれば、睡眠薬は適量でおさまります。

・通院はどれぐらいしないといけませんか?
最初は1~2週間に1回通ってください。自分に合う薬が見つかったら、最大1か月分処方することができます。

・毎日飲まないとダメですか?
睡眠薬は飲んだ時に効きます。毎日飲む必要はなく、眠れない時に飲んでください。

・副作用はどういうものがありますか?
日中に眠気が残ってしまう人がいます。
また、まれに「離脱症状」と呼ばれるもので、動悸がしたり、汗が出たり、手足がしびれる人などもいます。これについては、基本的に、時間がたつことで改善します。
睡眠薬を飲んでから、スマホをいじっていたり、家族と会話をしたり、皿洗いなどの家事をしていると、記憶がない状態で、奇異な行動(酔っ払ったときのような行動)をしてしまうことがあります。転んで骨折してしまう人もいるので、薬を飲んだら速やかに床についてください。

不眠症とは?

早稲田メンタルクリニック院長として働く、現役精神科医益田裕介があなたの疑問に答えます!

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