田中研究室では、画像処理技術を基盤としたシステムの開発に取り組んでいます。画像中のわずかな違いを判別し、幅広い分野への応用を目指しています。

Q「今一番注目しているのは癌とかそういう病気の診断についてのシステムです。ガン細胞とかあるいは人間の組織ですけれども、形のわずかな違いというものがあります。そのわずかな違いで良性であったり悪性であったりするんですが、ガン細胞であるとかそういう人間の組織っていうのはだいたい似ていると。同じような形をしているから「これは良性であろう」と、あるいはこれはちょっと違うから「癌であろう」と、そういう見分け方をしています。で、そういう違いをコンピューターに見分けさせるというのは非常に難しい、コンピューターが苦手としているとことですので、そのわずかな違いを見つけていこうと。」

現在の医療分野は、患者数は年々増加を続け、医師の人材不足が深刻な問題となっています。医師の不足は、結果的に患者へのサービスの低下に繋がります。コンピューターによる画像処理システムは、こういった問題の解決に貢献するとして注目されています。

Q「必ずしも来た患者が全員が重傷という訳では無いんですね。で、非常に軽症であったりとか、あるいはその後の治療が必要でない患者さんというのも当然いる。かなり精度のいい診断システムができれば、治療の特に必要のない患者さんには「現在は特には必要ありませんよ」と言う風なアナウンスをしてあげられて、ですから非常にスピーディにできる。本当に重症である、あるいはその診断に困る、そういう患者さんに注意を注げる。そして丁寧な診断が出来る。そういうことで、医師不足という事が言われていますけれども、医師不足の解消だけではなく、患者へのメリットもあると私たちは考えています。」

わずかな違いを見分ける画像処理は、医療面以外の分野においても、その活躍が期待されています。田中研究室では、アンチエイジング研究および個人認証システムに関するシステムの構築など、その研究の幅を広げています。
アンチエイジングの分野では、顔の三次元再構成結果を利用した診断システムを構築し、顔のたるみが計測可能なシステムを開発しています。これによって、今まで人間の感覚でしか計測できなかった効果を数値的に評価できるようになるため、栄養クリームやサプリメントの開発に大きく貢献できるとして注目されています。個人認証システムの分野においては、現在最も認証率が高いとされるバイオメトリクス認証の更なる精密化を目指し、偽造防止のための計算ホログラムに基づく認証システムなどの開発に成功しています。
このような研究は、いずれも人間が時間をかければできることですが、より短時間かつ効率の良い判断を必要とする場面においては、今後、より社会の中心になっていくと考えられています。田中研究室では、企業との共同研究やディスカッションを積極的に行い、社会に応用できる画像処理システムの開発を進めています。

Q「非常に難しい問題を扱っていて、出来た瞬間、あるいはこれはいけるんじゃないかという見込みが出来た瞬間というのは非常にうれしいですね。私は教育者ですので、学生がそういう物を見つけたときの喜びっていうのはまた違うものがあります。学生が非常にいいものを考えついた、自分が指導していってディスカッションしている中でそういうものを見つけてくれたというのは非常に大きな喜びになります。」

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