ゾルピデム, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=6885 / CC BY SA 3.0
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ゾルピデム
ゾルピデム()は、イミダゾピリジン系に分類される非ベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤に用いられる化合物である。脳のGABA受容体のω1サブタイプに作用することで効果を示す。日本での商品名はマイスリーで、アステラス製薬が販売する。同じく睡眠導入剤のゾピクロン(アモバン)、エスゾピクロン(ルネスタ)、トリアゾラム(ハルシオン)と同様に超短時間作用型であり、寝付きの悪さの改善薬として出される。
麻薬及び向精神薬取締法における第3種向精神薬である。日本では、医薬品医療機器等法の処方箋医薬品と習慣性医薬品に指定されている。
ゾルピデムは、フランスのサノフィ・サンテラボ社(現サノフィ)が開発し、1992年に世界で初めて販売が開始される。アメリカではアンビエン(Ambien)、欧州ではStilnoxとして販売される。
日本では2000年8月に藤沢薬品工業から発売された。同社が山之内製薬に吸収合併されたため、現在は山之内の名称を改称したアステラス製薬が継承している。2012年6月に、ゾルピデムの後発医薬品も販売が開始されている。
不眠症に適応がある。ただし、統合失調症および躁うつ病に伴う不眠症は除く。
なお、超短時間作用型の睡眠導入剤であるため、夜中に何度も目が覚めるなど早朝覚醒には用いられない。この場合は、ベンゾジアゼピン系などの中間作用型の薬(ニトラゼパムなど)が使用される。
アメリカでは2013年には、女性の方の排出がゆっくりということから、推奨用量を5mgに半減した。覚醒を必要とする作業に支障をきたさないようにし、運転事故のリスクを低減する目的である。
他害行為を誘発する傾向はアメリカで認可された睡眠薬ではトリアゾラムに次ぐ。副作用には、夢遊行動、昼間の眠気、めまい、幻覚などがある。骨折などの傷害リスクが高まる傾向がある。台湾の国民保険データの解析によれば、脳卒中、心筋梗塞、癌のリスク増加が見いだされている。
連用により依存症、急激な量の減少により離脱症状を生じることがある。日本の薬物乱用症例の中でも上位5位に入り乱用されやすい。向精神薬に関する条約のスケジュールIVに指定されている。
5mgおよび10mgのフィルムコート錠。通常は「1シート10錠」だが、先発薬のマイスリーの場合は「1シート14錠」のタイプも存在する。
後発医薬品はほとんどが、ゾルピデム酒石酸塩錠5/10mg「○○」などの名称で統一されている(「○○」は各メーカーの略号が入る)。
重篤な肝障害、重症筋無力症、急性狭隅角緑内障、肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期には禁忌となる。
日本の添付文書では、禁忌よりも先に夢遊行動の警告が書かれている。これについては、副作用の項を参照のこと。
通常、成人には1回5mgから10mgを就寝前に経口投与する。高齢者には1回5mgから投与を開始する。1日10mgを越えないこと
高齢者では漫然と長期投与せず、少量使用にとどめる。
0.8時間で血中濃度が最大になった後、速やかに減少する(消失半減期は2.1-2.3時間)。血中濃度が最大になるまでの時間が非常に短く、また消失半減期も非常に短いため、翌朝に眠気や倦怠感などが残りにくいとされる。
GABA受容体複合体のベンゾジアゼピン結合部位(ωサブタイプ)に作用し、γ-アミノ酪酸 (GABA) の作用を増強する。ω受容体には2つのサブタイプがあり、ω1サブタイプは催眠鎮静作用に、ω2サブタイプは抗痙攣作用、抗不安作用および筋弛緩作用に深く関与しているものと考えられている。ゾルピデムは、他のベンゾジアゼピン系睡眠導入剤と比較してω1選択性が高く、催眠鎮静作用に比べて、抗不安作用、抗痙攣作用や、筋弛緩作用が弱いのが特徴とされる。また、ベンゾジアゼピン系睡眠薬に比べて反復投与による耐性や依存は形成されにくいが、耐性が生じることはあるため、連用によって効き目が落ちてくる場合はある。
とはいうものの、従来のベンゾジアゼピン系と比較して、やや高い選択性という程度である。
一般的な副作用としては、起床後の眠気やふらつき、倦怠感などが挙げられる。稀に生ずる重大な副作用としては、依存の形成、呼吸抑制、一過性前向性健忘などがある。
日本や添付文書に夢遊行動の警告が書かれている。アメリカでも同様である。
日本の医薬品添付文書では警告表示にて、もうろう状態や夢遊行動があらわれることがあり、記憶がない場合があることが記されている。...
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